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あの日のたわごと銀の箱につめて

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 結婚の約束を反故にしたことがある。


 なぜだか知らないが、子供に妙になつかれる。
 特に子供が大好きというわけでもない。自分の子供が欲しいと思ったこともない。よって、他人の子供に接するときもこれといった感情はない。さりとて嫌いというわけでもないから、ごく当たり前に話す。大人に対するときのそれと同じである。もしかすると、それがある種の子供には新鮮に映るのかもしれない。自分を子供扱いされることに辟易している類である。

 その子は友人の娘だった。
 小学3年くらいだったか、親に切りそろえられた髪をうざったそうに掻き分ける仕草がすこしだけ大人を意識している、そんな微妙な年齢の女の子。
 そんな子に、初対面からいきなりなつかれてしまった。2歳下の弟にもなつかれてしまい、ちょっとこまったな、と思いながらもなりゆきにまかせた。責任を伴わない子供というものはかわいがるも適当にあしらうも自由なのがいい。深く考える必要がない。
 
 弟は構ってくれる人がいないからか、僕の膝に座ってくる。それを見て少女も僕の膝に座る。友人が言う。「めずらしいわね。この子そういうことしないんだけど」正直、悪い気はしない。子供に好かれる事はあっても、大人の友人は非常に少ない僕にとって、どんな存在であれ好意を示してくれるのは嬉しい。

 反故にした結婚の約束は、その女の子とのもの。
 もう、10年以上前の話である。そんな他愛のない約束、きっと女の子も忘れているだろう。そういう僕もつい最近思い出したのだから。

 いつの間にかその友人とも疎遠になり、その少女とも会うことはなくなってしまった。
 だけど、いつの日か君とまた会えたらいいな。






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by telomerettaggg | 2014-07-16 05:12 | E PZ 16-50mm F3.5-5.