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似たものどうし

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そのころ付き合っていた女の子はアームカッターだった。

いわゆるリストカッターのように自殺志願から自分の腕を切るのではなく、
どちらかというと切ることで、そこから流れ出した自分の血を見ることで、生きていることに安堵し、精神が安定するのだ、と彼女は言った。

彼女の両腕にはいつも包帯が巻かれていたし、それを解くと手首から肘関節近くまで幾筋も引かれたナイフの傷痕を見て
ボクはお願いだからそんなことをしないでくれ、と何度も頼んだ。
代わりに、ボクの腕を切ってもいいから、とまで言った。

何度も繰り返すボクの言葉に彼女は、それなら一度だけ切らせてくれない?と言った。
ボクは喜んで腕を差し出した。

抽斗からカッターを取り出し、ボクの腕を切ろうと何度も躊躇ったあと、深く左腕を切り裂いた。

ボクのではなく彼女自身の腕を。



実のところボクもそのころ神経症を患っていたし、お互いさまと言われればそれまでなのだけど、
その時、目の前で滴り落ちた鮮血の紅さが今でも目に焼きついて離れない。
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by telomerettaggg | 2006-12-13 22:02