長野・金曜日
旅行中の私は、あまり眠らなくなる。いつもそうなのだけれど、今回も例に漏れず、1時に寝て、起きたのは4時過ぎだった。枕が替わると眠れなくなる、ということではなく、楽しいことが続くと、これまでにあったことを反芻することと、これから起こるであろうことを想って、一種の興奮状態に陥るのだと自己分析している。
ホテルの窓から見える朝焼けが美しかった。
一度目が覚めてしまえば、自宅ならば2度寝でもするのだけど、旅先ではそれができない。なのでそのまま起きて本を読む。海岸沿いのリゾートマンションに滞在していたら、超大型台風が接近し、しかも火災まで起こってしまう、というパニック小説だ。旅先にまで来て読むような本ではないかな、とも思うが、やはり集中して最後まで読み終える。
シャワーを浴び、ホテルを出たのが7時過ぎ。すぐにカメラを取り出して撮り始める。道行く人は通勤通学の途中で、カメラを取り出して撮り歩く私を不思議そうに眺める。こんな観光地でもない街中でいったいなにを撮っているのか?と考えているのかもしれない。あいにく、写眞=記念ではないので、どこにでも被写体はあるし、そういうものを探してしまうクセが付いてしまっている。
駅周辺は開発されて、近代的な趣さえあるけれど、よく見渡すと、細い、自転車でも通れないほどの路地がそこかしこにあった。そういう道を見つけては通り抜けることを繰り返す。ずいぶん細い道だな、と思っていたら、人の家の軒先だったこともあった。家人がいなくて怒られずに済んだのはもっけの幸い。
私が近寄っても一向に構わず、何かを一心不乱に眺めていたネコ。いったいなにがあるのだろう?
そう思ってネコの視線の先に目を向けても、そこにはなにもなかった。もしかすると人には見えないものを見ていたのかもしれない。
駅から続く緩やかな坂道を登っていくと、善光寺がある。ぎりぎりではあるが、まだ連休には入っていないため、観光客の数もそう多くはなかった。無宗教で信心など持っていないけれど、銀治さんのスタジオは、駅から向かうと善光寺の向こう側にあるので、通り抜けたほうが早いと。ついでに寺所の中をうろつくことにした。「牛に曳かれて善光寺参り」ならぬ、「銀治さんち目指して善光寺参り」になってしまったような。賽銭の一つもあげて来ればよかった。
by telomerettaggg
| 2007-04-28 23:20
| FA43/f1.9 Limited