TTAGGG

近くて遠い~向こう岸(3)~

d0103236_2403252.jpg

neopan400presto


 ずいぶん昔に見たドラマの話をしよう。

 悪魔の子、と呼ばれるその少年は、考え付く限りの策略を張り巡らして、同級生達を苦しめることを生きがいにしている。ボクが一番印象に残ってる場面は、こうだ。
 クラスメイトがすごく欲しがっているメダルを掲げたその少年は、交通量の激しい道の向こう側から、その同級生に向かって「欲しかったらここを渡って来いよ」と言う。どうしてもそれが欲しい同級生は、恐る恐る道を渡り始める・・・

 それからどうなったのか、それは記憶から抜け落ちているのでよくわからない。車に轢かれたのかもしれないし、後戻りしたかもしれない。

 ただ、自分だったら、どうするだろうか?と今でもふと自問してしまうのだ。
 それほどの危険を被ったとしても、欲しいものがボクにあるだろうか。
 一度渡りだしたら最後、もう後戻りすら出来なかったら。

 取捨選択を迫りながら対岸の灯火はボクの前に横たわる。
 それは近いようで遠く、遠いようで決して手の届かない場所にあるわけでもない。微妙な間隔を伴いながら見せるそれは、光る果実のごとく甘美な芳香を撒き散らしながら、こっちへおいでと手招きしている。 
 道は人生のようだとか、川の流れのように、などと使い古された言葉を語る気は毛頭ないけれど、そうやって選ばなければならないものが眼前にあるとしたならば、ボクは迷わず欲しいものに向かって一気に走りこみたい。たどり着けるかどうかは、まったくもってわからないのだけれど。
[PR]
by telomerettaggg | 2007-07-21 03:07 | M-Rokkor40/2.0