slope which I watched sometime
ここは、前に来たことがある。
その坂道を見たとき、突然の既視感がやってきた。
私が住んでいる町からは遠く離れた山間の温泉地であったし、移動手段がバイクしかなかった私が、こんなところまで、一人でやってきたというのだろうか。だいたい、私は温泉が好きというわけでもない。
どこか似たような風景を見たことがあって、その場所と混同しているんだろうか。
それとも、いつか、夢で見た景色なのだろうか。
情報が特定できないことで、不安な気持ちになるのはなぜだろう。
おそらく、記憶は連続しているべきであり、それがどこかで途切れていることに対する自分自身への不信感が、そうさせるのかもしれない。
そういう微細な、どうでもいいことに、私もまた縛られているのだな、と感じる。
体のどこかにスイッチがあって、それを切り替えると意識もチェンジしてしまったとしたらどうだろう。
不連続な時間の流れは当たり前のものになって、多面的な思考の構築が可能になるのかもしれない。
ゆらゆら揺れる考えの中で、もう10年も前にこの町を通過したときのことを思い出した。
記憶とは、そんな、頼りないものだ。
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長野県は赤倉温泉です。
行ったのが月曜日だったこともあってか、人通りもまばらで、閑散としていましたが、
そこかしこにあるクレープ屋さんの多さにはちょっと感動しました。
少なくとも、土産物屋が軒を連ねる光景よりは、面白い、と感じました。
ちなみに、入った温泉は私には熱すぎて、15分ほどで出てしまいましたけれど。
by telomerettaggg
| 2008-03-18 22:08
| Nikkor50/f1.2 Ai-s