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ゆらぐ・くずれる・おちる

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 気を失ったことが二度ほどある。
 小学校のころなど、夏の暑い日の朝礼で、低血圧気味の女の子が倒れたりすることがあったけれど、健康そのものだった自分には、どうして?と思うばかりで、たいして注意も払っていなかったように思う。
 
 心地よい日差しの6月のある日、久しぶりにギターを持ち出して公園で弾こうと思い立った。部屋からそこまで、歩いて数分なのだけれど、途中少し急な階段があって、気が急いていた私は、2段飛ばしで駆け上がって目的地に向かった。
 さあ、ついたぞ、少し息が上がっていたので、石段に腰掛けた。
 と思った瞬間、目の前が暗くなった。
 前のめりに落ち込んでいく時、横目にキャッチボールしている親子の姿が見えた。
 意識を喪失する刹那は、意外なほど心地いいもので、眠りへと導かれる工程を早回しにしたような感覚があった。
 人は、死を恐れるのに、活動を停止する眠りに関しては、どうして恐れを感じないのだろう。
 あんなに無防備で、再び起き上がる保障すらないのに。

 起き上がって、かけていたメガネのつるが折れ、こめかみに痛みを覚えながら、そう思った。





 
 
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by telomerettaggg | 2008-06-17 22:34 | RICOH caplio R5