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カテゴリ:CANON LENS 35/2.0( 18 )

ケッタ

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以前のブログで出した写眞ですが再度。ぶーにゃんです。


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 待ちかねていた自転車が届きました。ロードレーサにするかシクロクロスタイプか、はたまたMTBでダウンヒルも楽しめるほうがいのか?と悩みまくりましたが、結局、一番スパルタンなモデルになりました。変速ギアはなく、まるで競輪のピストレーサのようです。ハンドル・シート高はフルアジャスタブル。もちろん走行に必要なもの以外は何一つ装着されていません。

 総重量は15キロを越えています。こればかりは廉価モデルなので致し方ないかな、という気はしますが、そもそもフルスピードで激走するために購入したわけではないので、重さは気にしないことにします。

それでは、(まあ大体見当は付いていると思いますが)ご覧くださいませ。私のケッタ(名古屋弁で自転車、の意)です。







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ちなみに購入額は新品で5000円ちょっとです。安っ。
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by telomerettaggg | 2007-04-19 22:30 | CANON LENS 35/2.0

箇条書きで綴る一日

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kodak T-max400



※会社の上司(業務担当)が来宅。退職手続きをとる。


※すぐに書き終わった関係書類を預けに会社寮まで向かう。上司すでに帰社してしまったため。


※その足で出来上がったフィルムを受け取りに。休職後最長のバイク乗車距離。


※フィルム5本分をスキャンしながらテレビを観る。「帰ってきた時効警察」やはりシュールで面白い。


※ブログの更新をしようと思いふと時計を見たら午前2時半。面倒なので箇条書きでいいやと横着する。


※現在に至る
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by telomerettaggg | 2007-04-14 02:37 | CANON LENS 35/2.0

Qの存在

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 死神は確かにいる。

 突然こんなことを言い出して、いったいあなたは誰?と思うかもしれないね。ま、私が誰かはさておき、死神は本当に存在するんだよ。
 彼らは街の中、駅構内、ファミレス、CDショップの試聴コーナ、どこにでもいる。誰にでも見える。そうそう、見た目は普通の人間と変わらない姿をしているからね。そうやって、死ぬべき人間を観察して、時には話しかけることさえ行なって、本当に死んでもいいかどうかを調査しているんだ。ま、大体の場合は「可」、つまり死んでもいいと判断を下すらしいけどね。死神だって仕事でやっていることだから、面倒なんだろうね。たいして調査もせずに判断しちゃうこともよくあるらしいよ。
 人間の中にはごく稀に、死神を見分けられるヤツもいるらしくって、日本のIという作家がほとんどそのままじゃん、ってこっちが驚くぐらいの詳しい小説を書いたのにはびっくりしたね。ま、誰もそれが真実だなんて思わないだろうからいいんだけど。

 さて、ここまで話して、私は誰か?って話に戻るんだけど、さて、だれだと思う?
 そんなの死神に決まってるじゃん、、、かい?・・・残念、実は違うんだなこれが。

 私は死神とは対極の位置にある存在、と言えば判って貰えるかなあ。


 ある日の私がとった行動は、こうだ。
 街中で貧相な身なりをして歩き回り、ある女性に声を掛けた。街角にしばらくでいいから立って人を待っててくれないか、とお願いしたわけだ。人間の女性は男性よりも数が少ないからか、いつだって男に誘惑される定めにあるのか、なかなか私のお願いも聞いてくれそうになかったけれど、風水学的にあなたが一定時間ここに立っていてくれるだけで竜脈の流れが良くなる、ひいてはあなたにも運が巡ってくる、でも、もしここを離れれば、、、などと半ば脅しににも似た作り話をしたところ、その女性は引き受けてくれたんだ。1本筋の通った、個性的な女性だと思ったから、お金をあげるから、なんてお願いしたところで胡散臭がられるに決まってる、と思ったんだ。これでも人を見る目はあるんでね。

 で、そうやって彼女に立ってもらったところで、今度は男のほうだ。彼のほうは一見して、会社をリストラされたばかりの疲れたサラリーマン崩れだったから、これは少しお金を持っている困った男、をわたしが演じて見せさえすればよかった。案の定、彼は話に乗ってきた。
 彼に頼んだことも、彼女にお願いしたことと同じく、ある場所でしばらく立っていて欲しい、ということだったんだ。

 実は、彼、彼女がその場所に立つ、ということ自体には深い意味はないんだ。時間が経ち、その2人がその場を離れたところで出会うように仕向けるのが私の狙いだったのさ。

 
 
 話は変わるけれど、運命の赤い糸って話、聞いたことがあるでしょう?あれって眉唾ものだって思ってない?ほらそこ、運命なんて自分で切り開いて行くものだ、レールの上を歩く人生なんてつまらない、な~んて格好いいこと言うんじゃないよ。ま、ある意味間違っちゃいないけどさ、また別のある意味じゃ間違ってるよ。
 これまで過ごしてきた生き方、これは過去のものだからもう変えられない。だから人生を道にたとえるなら、なんて格好いい比喩を使うならば、振り返った過去の道はたったひとつっきりだ。でも、これから広がる先の道は一本じゃない。むしろ、無数に枝分かれしているんだ。だからほんの少し先に自分がどうなるかだって見えないし判らない。
 例えば仮に、あなたは今日、道路を歩いていて車に轢かれる運命だったとするでしょう、まあまあ、仮にだからね、そう気を悪くしないで聞いてよ。原因は、昨日左腕にできた虫刺されが気になって、車が来ていることに気づかなかったのかもしれない。なぜ虫に刺されたのか?部屋の窓の網戸が少し破れていたからかもしれない。網戸の破れは、恋人と電話でケンカして怒りのあまり投げつけた鉛筆でできたものだったかもしれない。だから、恋人と喧嘩しなければ結果的に翌日事故に逢うことはなかった、ということになるね。虫刺されに気づいた時点で薬を塗っていたらやはり事故には逢わなかっただろう。気まぐれで違う道を通っていたら?
 要するに、いろんな時点で選択肢はあるし、違う選択をしていたら、それが積もりに積もって結果は全く違ったものになるんだ、ってこと。一つ一つはすごく小さなことだから、気づかないかもしれないし、選択したことすら無意識の行動かもしれない。でも、それはあなたが選んだ道なんだ。いっぱいに広がった糸を紡ぎとって、最終的にひとつの道を選ぶ行為、これこそが運命なんだよ。

 納得していないかもしれないけど、話を元に戻そう。運命の赤い糸の話にね。

 私には、その糸が見えるんだ。将来的に誰と結ばれるか、これはきっと誰だって気になるところだよね。でも、人にはその糸が見えない。ま、見えたら町中赤い糸だからけできっと赤い靄みたいになってるよきっと。
 誰かと誰かは繋がってる。これは確実なんだけど、この糸がやたらと長い人もいる。もうどうにかしてあげないと出逢えないくらい遠い場所にいるってこともある。
 北京の女性とスワジランドの男性が繋がっていたこともあったし、一番遠かったのは南極観測所の隊員の1人とストックホルムの女性だったね、あれは遠かった。
 ま、そういう物理的な遠さもあるけれど、厄介なのは、出会う可能性はきわめて近い位置に住んでいるにもかかわらず、運命の悪戯なのか、はたまたそういうめぐり合わせなのか、出会えずに一生を終えてしまう男女もいるってことなんだ。
 そんなとき、私の出番がやってくるんだ。いろんな手を使って、その2人が出会うきっかけを作るのが、私の仕事なんだ。そうやって、恋に落ちた2人はやがて結婚し、子供を作り、そうやってまた人は増えていく。

 ほら、私の存在は死神とは対極にあるって最初に言ったでしょう?

 ま、いまどきの死神が黒いマントに長い鎌を持ってなんかいないように、私たちだって裸で背中に羽つけて、弓矢を持ちながらぷかぷか浮かんでる、なんてことはないわけだよ。どっちも見つかったらおまわりさん呼ばれちゃうからね。

 これで、私が誰かは判ってもらえたと思うんだけど。まだ判らない?

 ま、いいか、そんなもんだからね、私たちの存在って。

 でもね、これだけは言っておきたいんだ。きっとあなたにも、運命の出会いがあるってことを、ね。

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by telomerettaggg | 2007-04-05 03:49 | CANON LENS 35/2.0

素敵な出会い

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 近頃気づくと、ユウキ君は、自分より若い人たちの聡明さにびっくりすることがある。
自分はあの年齢のとき、どんなことを考えていただろう?
たぶん何も考えていなかったような気がする。
 おそらく、毎日食べて寝て、学校に行って帰って、その繰り返しだったような。
そんなことしか思い出せないのだ。
 そんな若かりし時代に、頭の回転が速くて、それなりの世界観を持っている彼や彼女たちのようであったなら、今頃自分の世界は変っていただろうな。
 そんなことを思いめぐらすのだ。

 そのことに気づいただけでもいいのかな、とも思うし、そんなことを考えるくらい歳をとったのかな、ということなのかも知れず、とはいえ、今、ユウキ君が考慮したいのはそういうことではなく、つい今しがた遭遇した、そしてユウキ君の人生を一変させることになる、ある人のことなのである。

 ノゾミさんとは、ふとしたきっかけで知り合った。
 せわしい世の中のこと、それもある程度年齢が進めば進むほど、新しい友人、ましてや恋人など、身近な半径2メートル以内で見つけるしかなくなるのだが、ノゾミさんはユウキ君が街中で立っているときに、いきなり声をかけてきたのだ。
 
 ナンパ?始めはユウキ君もそう思った。その直前に少し不思議な体験をしていたばかりだったので、身構えていた部分もあったのだろう、見知らぬ人が「あの、あなたももしかして・・・」などといわくありげに話しかけてくるなど、ナンパか宗教の勧誘かスカウト(なんの?)くらいしかないからだ。これまでのユウキ君の経験で言えば、そうだった。

 しかし、ノゾミさんの話しかけてきたことは、そのどれとも違っていた。それは、ユウキ君が今ここにいる理由とも重なるのだが、ノゾミさんもまた、ついさっきまで、不思議な体験をしたのだという。
 ユウキ君がさきほど思わず口に出した、はしたない言葉を、耳の端に捉えたらしく、つい声を掛けてしまったらしいのだ。
 「知らない人に声を掛けるのもどうかと思ったのですが」
 ノゾミさんは、さも恥ずかしそうにそうユウキ君に話し出した。
「こういうことって、そうそうないことですよね。それでついあなたの言っていたことが気になってしまったんです」
「たしかに。なにが目的であの男が声を掛けてきたのか理解に苦しんでいるところだったよ」
ユウキ君の話し方はいつもそっけないのだが、別に機嫌が悪いわけではなく、だいたいこんな感じである。普段から感情をあらわにするほうではないし、喜怒哀楽が乏しい、というより、そういう行為自体がエネルギィの無駄、と考えているフシがある。
 それに比べてノゾミさんはというと、少しおどおどしていて、自分の考えを遠慮しながら伝える、もしくはじっと黙っている、そういう性格らしい。

 そういうわけなので、今失った無駄なエネルギィを取り返すため(もしかしたらもっと損するかもしれない要素ははらんでいるけれど)ユウキ君のほうからノゾミさんをお茶に誘って、今、2人に起こった不思議な体験を話し合おう、と持ちかけたのだ。あの、黒ずくめの、2人の男女を別々の場所に立たせて、ただ待たせるという、一見意味のない行動をとらせた、あの貧相な男のことを。



 それが、結城香苗くんと、その旦那さま、望弘樹さんの出会ったそもそものきっかけである。
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by telomerettaggg | 2007-03-31 00:00 | CANON LENS 35/2.0

冬の樹々 怪しげに立ちはだかって

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 T-MAX400 tokyo



 その気配に思わず立ち止まってしまう

 ずっと忘れていたのに 仕舞っていたのに

 引き出しの奥から引きずり出された一葉のハガキで

 そのことを思い出してしまう

 ブザマにすがり付いて泣いたその声を

 まるで他人事のように聞いていたあの頃の自分に

 決着をつけなければ

 ここから先には行かせないと言わんばかりに

 鉄壁の守備で通せんぼする

 


 いや

 本当に忘却していたわけじゃないんだ

 ただそれが怖くて

 弱さを受け止めることができなくって

 先延ばしにしていたんだ





 でも だめだよねそれじゃ

 言い聞かせながら

 ようやく困惑と優柔不断

 迷いと諦めへ向き合うことができるようになった自分に

 少しだけ安堵を覚えてみたりする






  
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by telomerettaggg | 2007-03-19 00:29 | CANON LENS 35/2.0

セルフポートレイト

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 T-MAX400 nihonashi/tokyo



今週もあっというまに一週間が終わりました。
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by telomerettaggg | 2007-03-17 19:35 | CANON LENS 35/2.0

高感度フィルム

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 ILFORD DELTA3200 yaesu/tokyo


 ずいぶん前に現像したのに、スキャンしていなかったフィルムがありました。
 上のILFORD DELTA3200 がそうです。名前の通りISO3200の超高感度フィルムなのですが、仕上がりはとても高感度とは思えない粒状性で、なめらかです。

 ただ、このフィルム、ホコリがつきやすいんですよ・・・。

 私のスキャンの仕方がまずかっただけかもしれませんが。
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by telomerettaggg | 2007-03-15 22:12 | CANON LENS 35/2.0

待ち続ける人

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 T-MAX400 tokyo


 卑屈だ。

 我ながら、自分の性格をそう感じてしまう。
 デパートの屋上に立ちながら、あたりを見回して、自分の足元を眺める。
 平日ながらも、まばらではあるが親子連れが陽気に誘われるかのように歩き回っている。

 そう、ボクは卑屈だ。
 でなければ、こんなところに男一人でやってきて、あまつさえ誰かも知らない男の言うなりになって、ただ立ち尽くしているはずがない。
 会社勤めしているときもそうだった。
 おい、あれやってくれ。・・・すみません、わかりました・・・
 何でこんな簡単なことも出来ないんだ?・・・すみません・・・
 今月いっぱいでもう君は来なくていいから。・・・はい、そうですか、、、すみません・・・

 で、リストラされてしまったのだから、これを卑屈な性格と言わずにどう処理したらいいのだろう。


 手すりにつかまって向かいにあるビルに目をやる。
 ガラス張りの建物の窓全体に太陽が反射して、眩しげにしている母親と保育園に行くか行かないかくらいの女の子。せめて今だけは過分なく与えられたその安らぎを楽しみ給え。人生は厳しくつらいことばかりなのだから。
 そう、心の中で呟くと、腕時計の針が午後三時をまわっていることを確認して、
 やっぱり誰も現れなかったな、と思いながら地上へと繋がるエレベータへ向かう。


 その貧相な風体と毛髪、しかしどことなく威厳のある男は、路上を所在無さげに歩くボクになぜ目をつけたのか判らないが、目が合うなり一直線に向かってきた。
 お兄さん、暇そうだね、わりのいいバイトがあるんだけど、やらない?

 なんだこいつは、と思いつつも口から出てきたのは例のごとく、
 いえ、急いでいるんで、すみません、という言葉だった。

 急いでいるって、お兄さんさっきからこの辺をうろうろしてるだけじゃない。
 ちょっとさ、ほんの数時間だけでいいからさ、人を待っていてほしいのよ。

 それで、バイト料として、ほんの数時間拘束されるだけにしては破格の値段を口にした。
 ボクだって、今は失業保険があるとはいえ、いつまでも預金とそればかりをあてにはしていられない、目先の金銭に惑わされて、つい甘言(というのだろうか、この場合)に乗ってしまった。

 男の依頼はこうだ。自分はすぐそばのデパートの屋上で人と合う約束をしているのだが、急用が出来てしまいしばらくこの場を離れなければならなくなった。しかし、先方と連絡が取れず、キャンセルも出来ないので、代理になる者を探していたところだったという。
 
 いかにも怪しげな理由ではあった。
 だって、このあたりを徘徊していたボクに目をつける余裕があるのなら、会社の人間でもなんでも呼び出せばいいことである。わざわざ、高額な謝礼を払って、見知らぬ人に(つまり、ボクのことだ)見知らぬ人に会ってくれ(つまり、取引先だかなにかの人のことだ)と見知らぬ人(つまり、目の前にいるこの男のことだ)から頼まれて、それを引き受ける人がそうそういるとは思えない。

 それでも、ボクは引き受けてしまった。
 男はまともな仕事をしているとは思えない、その貧相な不精髭を触りながら、これでも、人を見る目はあるんでね、と笑った。
 一応、こっちからもなんとか連絡を取るようにいろいろ試してみるから、もしかしたらその人は来ないかもしれない、午後3時まで待って現れないようなら、帰ってくれて構わないから、と約束の謝礼をボクに渡すと、タクシーを呼び止めて、乗り込んでしまった。

 おいおい、お金を渡してしまったら、ポクがこのままどこかへいなくなっても判らないじゃないか、そう考えたのが顔に出たのか、男は、だから人を見る目はあるって言ったでしょ、というと、運転手に行き先を告げて去っていった。

 うん、彼の人を見る目は確かだ。現にボクはこうやって時間までデパートの屋上で待ち続け、とうとう現れなかった待ち人が誰だったのかと考えながら、男に声をかけられた路上まで、戻ってきてしまったのだから。

 屋上から見えたガラス張りのビルは、角度を下向きに変えた路上でもやはり光を反射して、3月の東京を眩しく遮っている。

 まあ、いい。おもわぬ収入もあったことだし、今日は見つかるあてもない職探しはやめにして、家に帰って少しだけ贅沢なビールでも飲むことにしよう。

 そう思って歩き出したとき、斜め後ろで、もう、結局誰も来なかったじゃない、あの貧相ハゲオヤジめ、、、と小声でののしる女性の声が聞こえ、思わず振り返って、声を掛けてしまった。
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by telomerettaggg | 2007-03-13 23:07 | CANON LENS 35/2.0

反射

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 T-MAX400 kyoubashi/tokyo
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by telomerettaggg | 2007-03-09 11:15 | CANON LENS 35/2.0

彼の願いをかなえる方法

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LeicaM6+CANON LENS 35mm f2.0 T-MAX400 tokyo



 「どうしてもお願いしたい」

 彼はしきりと額の汗を拭きながら私にそう頭を下げた。
 なにがなんなのかさっぱりわからなかった。目の前に立つ男は30代半ばといったところだろうか、禿げかけた頭を帽子か何かで隠せばもう少し若く見えるかもしれない、などと見たそのときは思ったのだが、まずお願いされる理由がよく判らない。

 あなたならどうだろう?
 日差しのきつい冬の街中を歩いていて、3月に入ったというのになんて暑いんだろう、などと太陽の眩しさに眼を細めながら歩いていた路上で、いきなり見知らぬ男性に願い事をされたとしたら?

 当然、私は無視して通り過ぎようとした。顔に自信があるとは言わないが、私だって女性だ、出かけるときには、知らない人にはついていっちゃいけませんよ、と口を酸っぱくして母親に言われ続けたクチだ。単なるナンパか、そうでなければ路上販売の類であろうと判断して、声を掛けてくる男のほうなど見向きもしない。

 しかし彼は、あの済みませんが、という出だしのあと、
 「〇〇さんですよね?」
 と私の名前を口にした。思わず知り合いだったか?と思いなおし彼の貧相な無精髭の目立つ顔を見てしまったが、覚えは全くない。
 あの、どなたでした?と聞き返したが、彼は、いえ、お会いするのはこれが初めてですから、、、と言葉を濁す。
 少し怖くなって、いっそ走り出してこの場から逃げ出そうかとも思ったけれど、
 「お願いがあるんです、ほんの少しの時間だけでいいので、そこの」
 と交差点の向こう側にある建物の角を指し示し、
 「そこに立っていていただけないでしょうか」

 不思議なお願いをされてしまったのだ。

 そう、普通ならそんな変なお願い、聞く道理がない。
 それどころかますます不気味に感じて悲鳴のひとつでもあげながら助けを求めるくらいのことを、たいていの女性ならする、とは思う。そういうものだろう。

 ただ、私は普通ではなかった。普通でありたいとは思うのだが、それ以上に好奇心の強さに普通であることからますます遠ざかってしまうのだ。

 いや、でもそんなお願いされても困ります、と何度も断りながら、話し次第によっては受けても面白そうだ、と思い始めていた。
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by telomerettaggg | 2007-03-07 11:36 | CANON LENS 35/2.0