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夢で逢えたら

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 その夢を見たとき、少女はいつも泣いている。
 目が醒めると、目尻から頬に伝う涙に気づき、ああ、またあの夢を見たとわかるのだ。
 夢の中では、いつも同じ少年に出会う。実際の生活では会った事もない、見知らぬ顔。
 毎回同じシチュエーションというわけではなく、いろんなところへ顔を見せる。
 思春期独特の、愁いを帯びた目をこちらに向ける。白い、つるんとした肌。
 登校中のバスの中、帰りに立ち寄った本屋、ファーストフード。少年が見ている、と気付くたびに、少女の顔は紅くなる。
 これが実際のことだったなら、ストーカかと疑ってしまうところだ。しかし夢の中の少女は、これは夢なのだから、ということを自覚している。
 現実ではないのだから、安全。そう感じながらも、いやだからこそ、本当にあの少年がいてくれたらいいのに、と少女は切望しているのだ。
 悲しそうな目。友達はいないんだろうか。私が友達になれるだろうか。
 夢の中で、少女と少年は一度も言葉を交わしたことがない。いつだったか、冬の風が強い日に、雑踏の中でふと隣を見ると、並んで歩く少年の白い顔があった。
 背はそんなに高くないんだ。そう思ったのを覚えている。幾度となく繰り返した少年との遭遇としては一番の再接近だったにもかかわらず、お互いに一言も発することなく、夢から醒めてしまったのだ。
 
 夢の中で出合った少年に、現実でも逢いたいと思うなんて、自分でもどうかしている、とは思う。いるはずのない、幻想に胸を焦がすなんて、もうとっくになくなったと思っていたのに。





 

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by telomerettaggg | 2008-09-30 13:55 | summicron 50/2.0

ご無沙汰しておりました

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 ほぼ2ヶ月にわたって更新をストップしていましたが、ようやく部屋にネット環境が整いました。
 あたらしい生活にもようやく慣れ、以前のように更新していこうかと思います。

 よろしくお願いいたします。
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by telomerettaggg | 2008-09-25 04:18 | CANON LENS 50/1.4