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影と冬枯れ

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 幼心にも、日差しに照らされて地面にくっきりと刻まれる自分の影に生命を感じることなどなかった。
 だがしかし、大人になってみて思うに、死んでいるように見えて実は生きている生物があると知った。サンゴは石ではなく虫の一種であるのだから、もしかすると影も生きているのかもしれない、などと考えて空恐ろしくなることもある。

 恐ろしいといえば、冬枯れの木の佇まいも相応に恐ろしい。落葉して丸裸になった木に生命の息吹など感じられない。斧で斬りつければ生木が見えもしよう。だがそのままの姿は死を想起させてしまう。


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 そもそも、葉でさえ少し怖い。御存知のとおり葉は植物にとって光合成を行う命の源そのものの部位だが、「葉緑体」などと名づけられながらも、緑はいらないものなのだ。
 光合成するにあたって必要なのは光の三原色のうち黄と赤のみで、必要ない緑だけが透過して我々の眼に映るのである。だからあれは命の輝きなどではなく、植物の排泄物の色と表現してもおかしくはない。もっとも、排泄物も生命活動の一環ではあるのだが。

 そのような怖い木の、それも影となったらもう身震いが止まらない。いまにも影が分離して遊ぶ人たちに襲い掛かりそうな錯覚さえ抱いてしまう。公園にいる人々は僕がそんな恐怖に打ち震えながら歩いていることなど心に浮かびもしないのだろう。それがまとも。それが平和。
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by Telomerettaggg | 2016-01-12 18:00 | SIGMA 30mmF2.8DN

無心で臨む

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 数ヶ月も更新しないかと思えば連日書くのもこのブログの特徴のひとつ、と言ってしまえば聞こえはいささかいいかもしれないが、実のところ面倒くさい病にかかってしまうといろんなことが瑣末に感じられてしまい、何もする気が起きなくなってしまうのだ。

 それから、急に文体が変わるのもこのブログの特色である。実は私、ですます調で文章を綴るのは非常に苦手なのだ。もともと語彙が貧弱な上に文体にこだわりがあるわけでもないから、連続して「ます」「です」「です」と連ならせてしまう。むしろ私自身がDEATHである。意味なしジョーク。

 やる気がないくせに新しい物好きで、いろんなサービスに手を出してしまう。
 現在このブログのほかにフェイスブック、ツイッターも長らく利用している。それに加えてインスタグラムもつい最近はじめることとなった。では、このブログはどういった利用方法にすればいいのか?

 ツイッターでは長文が書けない。つい昨日、どうやら140文字制限をなくし最大1万文字まで書き込めるようになる、という情報が持ち上がったが、そうなったら利用しなくなるだけのこと。ツイッターはあくまでも短文投稿が主目的である。
 フェイスブックはあくまで友人との交流プラス、日記のようなものを綴るだけになっている。いかんせん、40男の日常がそれほど変化に富んだものであるはずもなく、たまに起こった出来事を書く以外は友人のポストに「いいね」をクリックするか稀にコメントを残すのみとなりつつある。これはこれでよい利用方法なので特に異論はない。
 インスタグラムは写真を投稿するのみである。そこに芸術性もメッセージ性もなく、ただフィルム写真時代に撮り溜めたものを少しずつポストしつつ、スマホで撮ったものを織り交ぜていくようには、している。

 では、やはりこのブログは当初の目的どおり、写真と創作物語で行くべきか、との結論に達するわけだが、いずれにせよ毎日更新はない。自分にノルマを課すのが死ぬほど嫌いであるから、やりたいときにやるのが一番であろう。



 この件で急に思い出したことがある。私には3歳年下の妹がいるのだが、その影響もあって少女漫画も好きである。当時、かなりの人気を誇っていた、そしていまだに完結していない美内すずえの「ガラスの仮面」は私も相当引きつけられたものである。作者が亡くなるまでに完結するのかどうかは「王家の紋章」と並んで興味をそそる点ではあるが、それはさておき、ガラスの仮面では演劇が主題となっている。物語の主人公は少女二人であるが、サイドストーリーのひとつに忘れられないほど記憶に刻まれた話がある。

 舞台に立つにあたってサブキャラクタの青年に与えられた役柄は仏像を彫る「仏師」であった。彼は役柄をどう演じるか迷った挙句、実際の仏師のもとで生活することにより演技の糧にしようとする。仏師はどこかで修行をするわけでもなく、普段は役場に勤めている。妻と子供を愛し、数日、数十日の間全く仏像を彫ろうとはしない。ただ、一日のうちのわずかな時間、木の塊の前に座り、じっとそれを眺めるだけである。

 彼は言う。日常の中にこそ修行はあり、それは特別な場所に篭ったからといって見つかるものではない。ただじっと、優しく日々を暮らしていく中で、木の中に仏が見えるときが来る。その時が来たら、あとは余計なものをどかしていくだけです、と。

 そしてある日、こう言う。


 「仏像を彫りましょう」

 そこから仏師は一気呵成に仏像を彫り始める。
 仔細な描写はなにしろ25年以上前に読んだきりであるから違っているかもしれないが、大まかにはこのような話である。そして、なぜこんなに記憶に残っているのか、それは当時このシーンが非常に脳裏に焼きついていたため、妹と二人で「仏像を彫りましょう」ゲームをやっていたからであろう。

 ゲームと言うほど大層なものではない。ただ普段どおりの生活を送るだけである。そしてどちらかがそのことを忘れた頃になって、ふいに鹿爪らしい顔で「仏像を彫りましょう!」と宣言するのである。不意を突かれて笑ったら負けである。今思い返してもなにがそれほど面白かったのかは謎である。

 横道にそれてしまったが、要するにこのブログを書くにあたっては、前もってメモしたり書くことをまとめたりはしない。仕事を終え、帰宅後PCのスリープを解除する時までに、書きたいことが思い浮かばないときは更新しない。これをルールとしたい。普段は無心で過ごすのである。書きたいことがあるならばおのずと書きたい欲求のまま綴ればよい。メモしなければ覚えていられないほどの文であるならば書かなくてもよいではないか。

 書きたいことが物語であるか、はたまた撮った写真に対する講評であるか、あるいはなにがしかの言いたいことであるかはそのときにならねば判らない。極端な話、1ポストにつき写真を必ずアップせねばならないと言う事もないだろう。なぜかいつのまにかそれをしなければいけない、といった強迫観念で更新がストップした時もあった。

 いずれにせよ、思い立ったが吉日、である。
 このブログ内においてだけは、最低限のルールを守る限りにおいて私がルールであり、自分のやりたいことをやればいいだけの話なのであった。



 

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by Telomerettaggg | 2016-01-07 04:10 | Zenfone5

あけましておめでとうございます

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 松も明けそうな日になってしまいました、というより去年の9月から更新していなかったブログですが、お久しぶりです。そしてこのブログも9年目くらいに突入しました。

 まずは、明けましておめでとうございます。
 旧年中はいろんな出会いがあり、嬉しいことや、不勉強もあって失礼や迷惑もたくさんかけましたが、こうやって新しい年を迎えられたことを感謝、とか全然していません。ニヒルを気取るわけではありませんが、年が変わったからといって思いを新たにしたり、決意表明をする必要などないと思っています。毎日毎日が新たな旅立ちでもあり、いつも新しいことに挑戦したいと考えています。思いついたときが何事も始めるに相応しい時です。

 ですが、おめでたいと思っていないわけではありません。毎日朝を迎えられたことを感謝するのと同じくらいにはおめでたいと感じています。

 さて、なぜこんなひねくれた文章ではじまったのかというと、もとから当ブログを見てくださっている数少ない方は御存知かもしれませんが、このブログは他のSNSとほぼ連動させていません。わずかにツイッターに更新の呟きするくらいです。
 今回なんの気まぐれか、フェイスブックで数人の新たな友人に恵まれましたので、これを機会にFBとも連動させていこうか、と急に思い立った次第です。きっときまぐれですし、途中でまたあまり更新しなくなるかもしれませんが(というか毎日更新する気ははなからありませんが)、少しずつアウトプットしていこうかという気持ちになってきています。
 そして、数少ないFBのフレンドリストの中には、表面上取り繕わなくてはいけない人もいるわけです。そもそもFBは本音を吐き散らかす場所ではないと思っていますし。ですのでそういった人以外の方に私がどんなことを考えているのか、またたまに乱文ではありますが書き散らかす創作物がどういったものなのかを知っていただきたく、こういった形を取らせていただきました。FBから誘導された方もいらっしゃるかと思いますが、知らせたくない方には表示されない投稿にしています。

 以前からの知り合いの方も、これから仲良くなる方も、よろしくお願いいたします。
 よく、社会人になると仕事以外の知り合いを見つけるのは、特に友人を見つけるのは難しいなどと聞きますが、何のことはありません。自分が積極的に外に出ようとする意思さえあれば、そして他人の意見を謙虚に受け入れるつもりでいれば、見つかるものです。

 後悔先に立たず、などといいますが、同じ後悔でもやってしまった後悔とやらなかった後悔ならやらなきゃ損くらいの気持ちでいられたら、と今年の抱負を述べて締めさせていただきます。おい、最初と言ってること違うじゃないか、なんだその一年の計は元旦にあり、みたいな抱負は!といった苦情はスルーさせていただきますので、そこを御承知いただいた上で、当ブログとテロメアにお付き合いいただければ幸いです。
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by Telomerettaggg | 2016-01-06 04:01 | Zenfone5

引越しました

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 正直、自分が何度引越ししたか回数すら覚えていないのですが、また引越ししました。
 とはいっても、今回は同じ市内を3キロほど移動しただけなのですが、それでも煩雑な住所変更手続きがあって毎回うんざりしてしまいます。

 必要に迫られてのことなので仕方ないのですが、せっかく新居の借家(という表現は変かな)を選ぶにあたり、飲みに出かけるのに便利のいい町を選びました。ワンルームから2DKになり、広い部屋の中で、これからは少し豊かな生活が送れるぞ、とワクワクしているのです。
 しかし、その分家賃代が嵩むので飲みに回すお金が減ってしまうという、なんだか財布を買ったら中に入れるお金がなくなってしまったようなことになっております。

 とりあえず、ダンボールの上にPCを置いてネットをしている現在、なにかとても貧乏な気持ちでいっぱいなのですが、テーブルを早く買いたいと思います。
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by Telomerettaggg | 2015-07-05 22:21 | SIGMA 30mmF2.8DN

GSR250Sのウィークポイント

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 「自由に使える5万円、あなたなら何に使いますか?」という質問に今ならめちゃくちゃ悩んでしまいます。バイク関係でならば、ヘルメットの少しいいものが買えますし、GSRにパニアケースを装着することも出来ます。最近ブーツに凝りだしたのでレッドウイングのエンジニアブーツも欲しいところです。
 まあ、なににせよ、そんなお金は人生何十回目かの引越し費用であっという間に消える現実が目の前にあるのですが。テロメアですこんばんは。



 去年9月に納車されたGSR250Sの走行距離はようやく6000kmに届くところです。GWの帰省で3000km走っていますので実質ほとんどが100km以内の近場ツーリングメインですが、現時点での気づいた点をいくつか挙げていきます。

 先に結論を書いておきますが、現行の250ccクラスでツーリングバイク用途では最高の選択肢だと思っています。無論どこへツーリングに行くかによって変わってくるかもしれませんが、オンロード及び軽い不整地しか走らないライダーにとっては他に替えがたい存在です。

 大柄な車体は走行中の安定感を生み出します。リアボックスとタンデムシートに荷物を積んでもその性能はびくともしません。ハーフカウルがもたらすウインドプロテクション効果は走行時の疲労を低減します。しかしフルカウルほどの威圧感もなく、整備もしやすい利点があります。
 法定速度内においてならばワインディングロードもほぼ軽快に走りぬけることが出来ます。大柄ゆえに低速コーナー、とくに複合コーナーは苦手ですが、目を三角にして走るような性格のバイクではないと理解していればそこは及第点をあげてもいいでしょう。

 アップハンドルがもたらす楽な姿勢もツーリングには向いています。当然、尻肉の厚さは個人差がありますが、1日半で1200km走ってお尻が我慢できないほど痛くなることはありませんでした。


 さて、ここからが本題です。購入するまでに検討を重ねて手に入れたバイクです。
 贔屓目も入って良いことばかりを挙げたくなるのが心情でもあり、あばたもえくぼになりがちですが、そこをグッと堪えて気づいたいくつかのウィークポイントを書き出していきます。

 どうしても気になるのはやはりその重さです。装備重量で180kg前後ある車体は600ccクラスとみまごうばかりなので、たしかに取り回しはきついかもしれません。今のところ押し引きしている時に支えきれなくなって倒してしまったことはありませんが、気軽に押せる車格のバイクでないことは確かです。

 
 次にエンジン特性。並列2気筒エンジンは下からトルクもあって10000rpmまでストレスなくまわりしかも振動も驚くほど少ないのですが、なぜか常用域の5500rpm付近にトルクの谷があります。それほどエンジンの挙動に神経質ではない私でも明らかに息つくのがわかるほどです。

 ただし、この2つはマフラーを交換することでかなり軽減されます。ノーマルの2本出しマフラーとサイドスタンドを取り払うことで9キロ近い軽量化になり、取り回しはかなり楽になりました。
 また5500回転付近の息つきも、一気に7000rpmまで吹け上がるのでほとんど気にならないレベルになっています。

 ここからが人によっては少し深刻になります。
 アップハンドルでポジションが楽、と先に書きましたがこれが両刃の剣になっており、バランスを崩して体勢を持ちこたえたいとき、特に立ちゴケしそうになって堪えようとしたとき、などハンドルが高すぎて支えきれない!という場面が今までに2回ありました。そのうち一度は倒しました。

 具体的に説明します。
 一時停止して安全確認し、発進しようとします。このとき1速に入れているつもりが実はニュートラルになっていてアクセルふかしてクラッチを繋いだのに発進できない!バランスを崩す!という場面につい先日遭遇しました。
 このとき、ハンドルが高くて前にある=腕が曲がっている状態になります。
 水の入ったバケツを持つときのことをイメージすると判りやすいのですが、重いものを持つときに腕が曲がっていては長時間持つことは出来ません。これと同じで腕が曲がった状態でバイクが倒れそうになっても力が入らずさらに傾きます。そして一番力を入れやすい(耐えやすい)腕が伸びた状態のとき、もうバイクの重さを支えることが出来ないくらい傾いてしまっています。たいていの場合そのまま堪えきれずガシャーン(涙)です。
 先日のケースのときは、たまたま足場が少し盛り上がっていたことに加え、右倒れそうになったこともあり、「いや駄目だ駄目だ!右に倒れたらマフラが大破するかも!絶対に耐えねば!」という火事場のクソ力的な意思でもってどうにかこらえきれたのですが、どっちにしても左にはこかしています。
 ちょっとした救いになるかわかりませんが、左の立ちゴケの場合、ハンドルを左に切った状態で倒せればカウルは無傷で済みます。ハンドルバーエンドとクランクケースの下がわずかに削れる程度です。それでもやはり倒したくはないことには変わりないですが。

 体力に自信がある、あるいは175cm以上の方ならそれほど問題ではないかもしれませんが、私と同じような160cm前半だとかなりきついかもしれません。

 ラストにもうひとつ。
 バイク自体の特性なのか、タイヤに起因するものなのかわかりませんが、ある一定以上のバンク角を超えると車体が急に倒れこみます。建前上法定速度以上についての挙動は差し控えますが、低速であっても、それまでオンザレール感覚で曲がっていたのが急に倒れこむように曲がりだすので戸惑うかもしれませんし、それに怯えてブレーキをかけようものなら一発で転倒しかねません。
 路面状況によるのかもしれませんが、この「ここから先は倒れこむよ」の範囲をよく把握できるまでは無理なコーナーリングは避けたほうがよさそうです。具体的に何度のバンク角で、と言えるほどのスキルと分析力がないのが歯がゆい気持ちですが、ステップを擦るほどの角度でないのは確かです。乗っておられる方は充分注意しましょう。そしてタイヤを変えたらなくなったよ!などの情報もお待ちしています。

 
 なににせよ、私はこのGSR250Sがとても気に入っています。他のバイクを買うにしてもおそらく買い替えではなく買い足す方向で考えるくらい、ツーリングするには唯一無二ではないかと思うくらいです。

さて、、、
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by Telomerettaggg | 2015-06-11 04:29 | SIGMA 30mmF2.8DN

神はどこかへ旅立つことにした

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by telomerettaggg | 2012-11-30 19:41 | Lumix phone P-05c

ゼロの季節

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 生ぬるい言葉を吐き出しては、ため息をつく。
どうしてもなじめない歌や流行があるように、現実に付き従う隙をもらえなかった。行きたくはなかった旅行で、列車に乗り遅れたら、こんな微妙な感覚に襲われるのかもしれない。
 まさか、こんな、頭上から光を発しながら暮らす日々が訪れるとは、夢にも考えていなかった。
だがしかし、現実にこうなっているということは、誰かがそうなって欲しいと熱望し、それに従う人がいた、ということになる。
大半の人は現実を愚痴る、誰も望んでいない状態になるのが社会の常である、と言ってしまえばそれまでなのだが。
腹立ち紛れに、
「人でも殺したい気分だ」
と言うと彼女は
「殺せばいいんじゃない」
とこともなげに答える。ファミリーレストランでハンバーグを頬ばる彼女の頭の上には、赤い光で数字の(1)が浮かんでいる。つまり、この子は経験者なのだ。
「あなたもため息ばっかりついてないで、一度やってみたらいいのに」
つけあわせのフライドポテトにケチャップをたっぷりかけながら、付け加える。
「どうせ誰でもいいんだから」
まるでコンビニに雑誌でも買いに行けば、というくらいの緊張感のなさで言われたが、僕はまだどうしても受け入れることが出来ない。
また、何度目かのため息をつきながら席を立ち、トイレに向かう。背後からの
「あ、ついでにコーヒーお願い」
の声に追われながら男子トイレに入る。今では男性専用トイレも個室のみだ。当たり前だが、小用を足しているときは最も無防備な時間だからだ。
レーダ機能で、自分を狙ってくるものの存在はわかるものの、至近距離からしか反応しないので、気づいたときにはアウトになりかねない。不特定多数の人間が集まる飲食店や公共施設は、次々と改装して裏にも出入り口を設けたり、気の聞いた店ならトイレの出入り口も複数作ったりしている。いまや、集客の決め手はおいしさや安さにも増して、いかに逃走経路があるかというファクタも重要になっているのだ。この古い作りのレストランには、裏口がないにしては、比較的客の数は多いほうだと思う。
個室内に設けられた鏡で自分の顔を見る。頭上には緑色の(0)の表示。

客席に戻りながら周囲を見渡す。客それぞれの頭上にはめいめいの数字が浮かんでいる。座席の間を忙しそうに動くウエイトレスの上を数字もついていく。ほとんどの場合、それは(0)なのだが、中には(2)や(3)といった赤い数字を持つものもいる。法律上、彼ら彼女たちが罪に問われることはなく、あくまで合法的な行為ではあるものの、そこは人間心理として、危険なものから離れておこう、と皆が考えるらしい。近くの席は空いている。
ドリンクバーでコーヒを注いでいるとき、ひとりの客が入ってきた。と同時にすぐ横の席に座っていた(3)の男が慌てて立ち上がった。
ああ、少しでも心当たりがあるのならこんな逃げ場のない店に来なきゃいいのに。
(3)の男は転びそうになりながらもたった今入ってきた客とは反対の、店の奥へと賭けて行く。新しい客がその後を追う。
トイレ付近で悲鳴が聞こえた。追いつかれたか。
シャツを赤く染めたその「客」は唖然とした、あるいはまたか、とうんざり顔で事態を見守っていた店内の客に向かって
「お騒がせしました」
と礼儀正しくお辞儀をして、それから店を出て行った。当然、入ってきたとき(0)だった数字が、今は(1)にカウントアップしていた。

人を殺しても罪に問われなくなったのは、いつからだったか。
殺すことに関して、特に理由は求められない。殺したい人が出来たとして、そのときは一本の電話をかければいい。受付に殺したいものの名前と識別番号を告げ、その人間がこの国の国民であり、健康な成人である限り、ほとんどの場合申請は受理される。
許可を受けたものは、周囲を巻き込まない方法でのみ、相手を殺害することが可能になる。もちろん狙われる側の人間も反撃することが出来る。さっきのように、ほとんど無抵抗で殺されることは珍しい。よほど油断していたのか、死にたかったのか、今となってはどうでもいいことであるし、知りたくもない。
が、この法律が出来てから、たしかに国内の凶悪犯罪は確実に減った。殺されそうな身に覚えのあるものは震えながらどこかに身を隠したし、家族や恋人同士であってもいつ殺されるか判らない恐怖もありつつ、お互いの絆がより深まるケースも多々あるらしく、円満な家庭が増えつつあるという。
国内の成人の人口は文字通り半減してしまったけれど。
そうして、皆が所持を義務付けられた特殊な装置により、各人はその所在を監視され、合法的に殺したものの頭上には殺した数がホログラフで浮かび上がる。
つい先ほど、そこで殺人が行われたにもかかわらず、皆はもうそのことを忘れてしまったかのように食事を再開している。僕の向かいに座る彼女も、鮮血のように真っ赤なケチャップつきポテトをほおばりながら携帯をいじっている。ほら、こんな世界に僕は到底なじめないし、心底うんざりする。
彼女のほうへコーヒーカップを押しやりながら、僕は電話をかける。
「相手の名前と番号をお知らせください」
事務的なその問いかけに対し、向かいに座る彼女の名前を告げた。
どうやら、僕たちは、増えすぎたみたいだ。
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by telomerettaggg | 2010-04-08 21:16

ネコのいる生活 その2

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家にいるネコは全部で四匹。
半分ずつで家の外と中にわけて飼われています。
どうしても仲良く出来ない子同士を一緒にしないためだそうですが、写真の子は、外猫のうちの一匹です。かと言って内猫と仲が悪いわけではなく、もう片方のネコが寂しいだろうから、と言う理不尽な理由で外に出されているという。
とは言っても、中のネコと顔を合わせなければ問題はないわけで、たまには僕の部屋にきて、二匹で仲良く寝ています。
時たま窓にやってくるヤモリをじっと眺めたりもしています。

僕はそれをじっと眺めています。
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by Telomerettaggg | 2009-09-20 23:07 | iPhone

猫のいる生活

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猫が近くにいる生活は久しぶりで、触りすぎて嫌われないようにするのがたいへんです。
ひとつ前のエントリもそうですが、写真加工はiPhoneのpolarizeという、ポラロイド風にしてくれるアプリを使用しています。PCから確認していないのでどんなふうにみえているかわからないんですが。
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by Telomerettaggg | 2009-09-17 18:51 | iPhone

テスト更新

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ただいまテスト中

iPhoneからブログに写真をアップする方法はいとも簡単だった。
携帯投稿用のメールアドレスから送信すればよかっただけ。
普段携帯からサイトを見ることがなかったので、すっかり失念していました。
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by Telomerettaggg | 2009-09-16 06:55 | iPhone