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slope which I watched sometime

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 ここは、前に来たことがある。

 その坂道を見たとき、突然の既視感がやってきた。
 私が住んでいる町からは遠く離れた山間の温泉地であったし、移動手段がバイクしかなかった私が、こんなところまで、一人でやってきたというのだろうか。だいたい、私は温泉が好きというわけでもない。

 どこか似たような風景を見たことがあって、その場所と混同しているんだろうか。
 
 それとも、いつか、夢で見た景色なのだろうか。

 情報が特定できないことで、不安な気持ちになるのはなぜだろう。
 おそらく、記憶は連続しているべきであり、それがどこかで途切れていることに対する自分自身への不信感が、そうさせるのかもしれない。
 そういう微細な、どうでもいいことに、私もまた縛られているのだな、と感じる。

 体のどこかにスイッチがあって、それを切り替えると意識もチェンジしてしまったとしたらどうだろう。
 不連続な時間の流れは当たり前のものになって、多面的な思考の構築が可能になるのかもしれない。

 
 ゆらゆら揺れる考えの中で、もう10年も前にこの町を通過したときのことを思い出した。
 
 記憶とは、そんな、頼りないものだ。


 

ここは、
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by telomerettaggg | 2008-03-18 22:08 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

symbol of peace

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nagoya/aichi


 ノアの箱舟から放たれて、オリーブの枝を持ち帰った鳩は平和の象徴としてよく用いられているけれど、そこらじゅうを闊歩して集団で餌をついばむ様子を眺めていると、とても平和とは程遠い気がする。あの、無機質な目をじっと見つめていると、ちょっと薄ら寒くなってしまうのだ。なにを考えているのかわからないところがまた怖い。


 先日、ちょっとした所用で電車に乗る機会があった。
 普段、稀にしか利用しないし、あまり使ったことのない路線ということもあって、心の中で、「次は〇〇駅で乗り換え、乗り換え」と念じながら、いつものように本を読んでいた。
 「車内点検です」
 そう呼びかけながら通り過ぎる人影に気づいたので、顔を上げると、そこには足早に通り過ぎていく少年の後姿が。しかし、ほかに車内を歩く者は見当たらなかったので、先ほどの声の主は彼に間違いない。
 「いやいや、ジャージを穿いた駅員なんていないだろ」とつい口に出すと、隣にいた乗客も少し笑っていた。おそらく、鉄道が好きな少年なのだろう、という無言の納得で目配せを交わした。その数秒後に、今度は本物の駅員さんが車内点検のため通り過ぎた。彼の制服が偽者でないとしたら、ではあるけれども。

 しかし、先ほどの少年は、折り返してきたのか、今度は先頭車輌から、私の座る座席近くにやってくると「次は〇〇駅、〇〇駅、ドアは両側開きます」と車内アナウンスのマネをする。
 彼の告げた駅はわたしの乗換駅であったので、そうか、と思い降りる準備を仕掛けたところ、アナウンスされた駅名は全く違うものだった。少年は恥ずかしそうにするでもなく知らん顔を決め込んでいる。
 騙されちゃったよ。ほんの少しだけ悔しい気持ちを押し隠しながら、また本を取り出して読むふりをし続けた。とにかく件の少年が真向かいの座席に座って、駅が近づくたびに同じ駅名を連呼するので、気が散って仕方なかったのである。
 「この嘘つきめ」そういってやりたいところをぐっと我慢して、ようやく列車は乗換駅の手前までやってきた。
 車内アナウンスが流れる。
 「次は〇〇駅、〇〇駅、ドアは左右両側開きます」
 えっ、と思い少年の顔を見る。ドアに関しては本当のことを言っていたんだ。
 少年は、相変わらずそ知らぬ顔だった。


 箱舟の話に戻ろう。
 鳩が放たれる数日前、カラスも放たれていたことをご存知だろうか?
 しかし、大洪水の水はまだ引いていなかったので、カラスはどこにも降り立つことが出来ず、掴まる木の枝さえも見つけられず、箱舟に戻ってきてしまう。それが原因ではないと思うけれど、少なくともカラスには、平和の象徴といった意味合いはまったくない。単に放たれる時期が早すぎただけなのに。そんなカラスが私はちょっと好きだ。

 カラスにしてみれば、そんなことはどうでもいいのだろう。
 賢い彼らは、いつもそ知らぬ顔で、木の上から、電線の上から、私達を見下ろしている。

 電車の中の少年と、カラスの姿が、少しだけだぶって見えた。
 
 そんな少年もちょっとだけ、好きだ。
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by telomerettaggg | 2008-03-07 18:23 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

past that passed

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ohsu/nagoya


 元には戻らないものを追いかけているような気がしている。
 自分の知らない誰かが、いつの間にか勝手に元通りにしてくれると期待してみたり。
 判っているのに、何度も冷蔵庫の扉を開け閉めしては、
 やはり何も入っていなかったことを確認するかのように。
 自力で這いつくばっていかなければ何も変わらないことに気づくのが遅すぎたような。
 気づいただけましだと慰めるべきか。

 ふがいないやとつぶやいて、くるりと踵を返す。
 過ぎ去ったのは周りではなく
 自分が置き去りにされたことを目の当たりにして
 それでも何かを紡いでいこうとする。
 
 その諦めの悪さに。
 ずるがしこさに。
 メンテナンスフリーに。
 採掘権放棄に。
 希望の種を播くことに。
 センチメンタリズムに。
 ムー大陸に。
 光の射すほうへ向かうことに。


 笑いが止まらない。


 涙まじりの苦笑い。






 
 
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by telomerettaggg | 2008-03-06 22:09 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

I SCREAM

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 時々ボクは、とてつもなく息苦しくなる。
 それは、ボクの周りにつきまとっているこのいまいましい海水のせいかもしれないし
 流されるままになっている自分の行動に嫌気が差しているからかもしれない。

 叫びたいよ。
 でも声が出ないよ。
 脳が痛くなるよ。
 むせるよ。

 いなくなってしまったあの人のことを思うと、余計に悲しくなるのはどうして。
 何も考えずにひっぱられて、
 渦を描いて、
 季節を変えて、
 においも何も感じなくなって、
 そうやって、溶けてなくなって。

 まぶたの奥をキラキラが襲いかかる。
 何の色。
 光ってなに。
 疑問符の海に巻き込まれて、
 溺れそうになって、
 でもそれでも消えてしまえなくって。

 曖昧模糊とした水槽の中をひたすら流されていく。
 泳いでなんかいないんだ。
 何も考えたくないんだ。



 

 I SCREAM
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by telomerettaggg | 2008-02-27 23:42 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

Drifter/Cloud rack

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 「雲が流れているね」
 「ああ。煙も流れてるよ」
 寝転がって広げた左手の先にいる彼女が答える。

 「雲は、好き?」
 「どうだろう、よくわからない」
 「煙突の煙は?」
 「見てる分には、好き」
 「そうだね」

 行き先を決めていない旅に出てもう何日経つのだろうか。
 僕も彼女も時計を持っていないので何時なのかさえ判らない。

 どこかへ行きたい、そう言い出したのは彼女のほうだった。
 「いろんなことを放り出して、何も考えずにいたい」
 生活に疲れているわけでもなく、なにかのトラブルに巻き込まれているわけでもない彼女が、そう言い出すのには何かわけがあるのだろうか。
 でも、僕は何の思慮深さもなく答えた。
 「いいね、いこうか」

 さっきからこうして土手に寝転がり、なにが好きで、なにが嫌いかをお互いに言い合っている。
 彼女は言う。
 「煙突の、あの縞模様が嫌い」
 「煙が、消えていくところ、あれが嫌だな」
 「芝生の感触はどう?」
 「悪くないね」
 「うん、嫌いじゃない」

 結局のところ僕らはなにをしたいのか、何も判っていない。
 一日中ぼっーっとして、気が向けばまた車に乗り込んでどこかへ向かう。
 地図さえ積んでいないので、路上にある標識でここがどこなのか、なんとなく見ている。
 でも、ここがどこかなんて、僕にも、彼女にも、どうでもいいことなのだ。

 「地図を読めないことを怒り出す男がいるよね。あれは嫌い」
 「迷ったからって、どうってことはないのにね」
 「私たちは、いま迷ってるのかな」
 「それはボクらが、どこへ向かってるかによる」
 「どこへ向かってるの?」
 「さあ、どこだろうね」

 夜になれば、目に入った最初のホテルに入り、ビールを飲み、適当に食事をし、抱き合って眠るのだろう。
 拠りどころはそこにしかない、とお互い気づいているのだ。
 でもきっと、心の奥底では、何も分かり合えてないことを知っている。

 目覚めたとき、部屋の中に彼女はいなかった。
 ああ、そうか。
 何も判っていなかったんだ。
 置いてきぼりにされてしまったんだな。
 寝起きのぼんやりとした頭で僕はそう思った。

 外から鍵を差し込む音がして、彼女が部屋に入ってきた。
 僕を見て、にこりと微笑む。

 
 ほら、やっぱり何も判っていなかった。
 僕も彼女に笑みを返した。





 
 
 
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by telomerettaggg | 2008-02-26 20:43 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

world under the ground

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kawagoe/mie



 ジュール・ヴェルヌの小説に地下世界を探検するSF小説があったように思う。
 読んだのは、ずいぶん子供の頃だったので忘れてしまった。
 読後、ここがその地下への入り口ではないのか、そう考えてマンホールの蓋を開けてみようとしたことがある。でもそれはどこの世界にも繋がっておらず、ただ暗い闇と、汚臭が広がってくるだけだった。
 ソナーによる地下探索で、そんな人が生活できる空洞が地面の下にないことを知った今でも、そんな異世界にいって見たいと考える自分が存在することが不思議だ。

 世界はどこに存在するのか、といえば、それは認識している頭の中だけの存在なのかもしれないし、もしかするとなにが真実でなにが不明瞭なものなのか、その境界線はとても曖昧なものに感じられてくる。

 なにが真実かを知ることにどんな意味があるのか、それは誰にも判らないのだけれど。





 
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by telomerettaggg | 2008-02-24 03:04 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

Smells Like Teenspirit

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 これは文字通りなのだけれど、私の嗅覚は生まれた時から人よりもかなり弱いらしい。
 体調によっても左右されるようで、酷いときにはガスの臭いさえもわからず、皆でカセットコンロを囲んで鍋をしているとき、あたり一面に漏れたガスにさえ気づかなかった。
 ほとほと困り果てた鼻ではあるが、実生活を送る上で一番なくても困らない器官は?と尋ねられれば、やはりそれは嗅覚ということになるのかもしれない。
 窓辺に飾られた花の香りがわからなかったり、食卓を彩る料理の匂いが感じられない、といった程度の不便さはあるにしても、それは生活を楽しむ上でのエッセンスでしかないわけだ、文字通り。


 人がガンに罹っていることを嗅ぎ分ける犬がいるという。
 ガン患者の呼気に含まれる微量な成分によってそれが判るらしいのだが、人間の数万倍といわれる嗅覚を持つ犬だからこそなしうる業なのだろう。
 しかし、人にもそれと似たような能力があると聞いたことがある。
 たとえば、異性の放つフェロモンに無意識に反応して好意を持ったり、あるいは愛情を抱いたりすることが挙げられるだろう。一説によると「一目惚れ」などはフェロモンのもたらす効果である、とさえ考えられているようだ。もちろん、生理的に受け付けない人の存在も見逃せないが。

 無意識のこういった行為を「能力」とするならば、という前提で話を進めるけれど、私にはある特殊な能力がある。

 そのことに気づいたのは今から1年ほど前のある出来事がきっかけだった。
 たいていの人が目的もなく町をぶらついているような場所がどこにでもひとつはあるものだけれど、私もその中の1人として意味もなく歩いていた冬の午後。
 特になにかを買い求めるでもなく電気屋や家具店をのぞき、なにかご入用なものは?と尋ねてきそうな空気になったらまた次の店に行き、歩きつかれたら喫茶店でコーヒーをすすりながら街行く人を眺めていた。風邪が流行しているのか、マスクを装着した人が目立つ。
 喫茶店独特のコーヒー豆とそれを蒸らすしっとりとした空気の香りなど、私には感じられるべくもなく、無臭に近いアメリカンコーヒーを覗き込みながら、ふと向かいの席に目をやると、そこには学校帰りなのだろうか、近くの私立校の制服を着た女の子が一人で座っていた。
 
 待ち合わせなのか、それともただの時間潰しなのかはわからないが、彼女は手持ち無沙汰に携帯電話を片手に持ち、ほとんどテーブルに寝そべるような姿勢で肩肘をついていた。
 これといって珍しい風景ではない、と思う。
 女子高生など隣の席にも数人がたむろして、今日学校であったこと、数学の教師がムカつく、誰それが別れた、といったたわいもない話を繰り広げていたし、別段私が制服マニアであるといった、特殊な性癖の持ち主であるというわけでもないので、普段なら日常の風景の一部分として流してしまう光景であったはずだ。もちろん、特別私の好みの容姿だった、というわけでもない。
 所在なげに携帯電話をいじるその子の顔だちは、どちらかというと幼くて、それを隠すために化粧を濃くしている、といった感じだった。学校は化粧してもいいんだっけ、まあ、どうでもいいか、などと考えながら、なぜか視線をなかなかはずすことが出来ずにいた。


 ふと、その女の子が顔を上げて私のほうを見た。
 しまった、あまり見つめすぎたか、という思いと同時に、今まで感じたことのないような情景が見えた。
 幻視、といえばそうなるのかもしれないが、そのとき見えたのは、その女の子と仲良く公園を散歩し、寝転んでいるネコを一緒になで、共にコーヒーを飲んでいる、そんな情景だった。
 公園も、コーヒーを飲んでいるのも、私には見覚えのない場所で、それが通常思い描く妄想の類とは異種であることを強く感じさせた。
 
 一目惚れ?そうとは思えない。
 恋愛経験がそう多いとは言えない私でも、人を好きになったときに感じる高揚感、心臓の鼓動が聞こえてきそうな感情には経験がある、だいぶ昔のこととはいえ。
 今回のそれは、そういった高ぶる気持ちといったものがまったくなく、ただ、流れる映画のシーンを見ているような、奇妙な冷静さがあったのだ。

 自分の見たこの情景がなんなのか、それを解明する方法はひとつしかない。
 私は、その手段に踏み切ることにした。






 要するにそれは、数ある選択肢の中から私が選ぶはずだった将来のビジョンだった、というしかないだろう。私に対して好意(愛情)を持つであろう相手の前でだけ、それは見えるらしい、のだ。


 成人式で若者に向かって挨拶する市長のコメントではないけれど「あななたたちには数多くの輝かしい未来が待ち受けています」というのは嘘だと思う。
 ある選択を要する時点に到達したとき、どちらを選ぶか、というのは個人の判断というより、それまでに積み重ねてきた経験や知識に基づくものであって、なにを選ぶか?ではなくなにを選んだか、という結果でしかないのかもしれない。
 まったく対等な二つの道があって、どちらに進むか?
 実際にはそういうことはほぼないと言い切ってしまうが、そんなとき、どちらがいいのかを判断するのは、意思というよりもむしろ本能に近い感情によるものなのかもしれないのだ。


 今、私の隣にはあのとき出合った女の子がいて、一緒にコーヒーを飲んでいる。

 それが唯一の真実。
 私がにおいを感じた、唯一の証。




 まあ、彼女には「あなたに好意を持つ人ってどれだけ少ないのよ?」と笑われてはいるのだけれど。





 
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by telomerettaggg | 2008-02-14 20:29 | RICOH caplio R5

Parasitism beast



 地球上の誰かがふと思った。
 「人間の数が半分になったらいくつの森が焼かれずにすむだろうか・・・・・・・」


 地球上の誰かがふと思った。
 「人間の数が100分の1になったら、垂れ流される毒も100分の1になるだろか・・・・・・」


 誰かがふと思った。
 「みんなの未来を守らねば・・・・・・・・・・・・・・・・・」



 ある夜。
 「それ」の大きさはテニスボールくらい、数は不明。
 どこからともなく降ってきたそれは地上に降り立つと半分にぱっくりと割れて
 なかからミミズのような生物が出てきて人々の元に向かった。

 「彼」の元へその生物はやってきた。
 耳から侵入を試みようとするが、イヤホンで音楽を聴いていたためできず、
 無理やりに手から体の中へ入ろうとする生物。
 しかし「彼」に気づかれてしまい、上腕部から先に進むことは出来なかった。

 「残念だ・・・・・」
 その生物の嘆息がどこからともなく「彼」の頭に響いた。
 いったいなにが残念だというのだ。
 自分は寝ぼけていたのだろうか? 
 そう思い直すことにして「彼」はそのまま眠りに就いた。


 そして朝。

 「な、なんじゃこりゃああああ~~~~~~~~~~~」





















 
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 左手がネコになっていた。

 
 しかたがないのでこいつに「ヒッキー(左手だから)」と名づけて一緒に暮らすことにした。
 ネコ好きでよかったぜ。



 

 
 
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by telomerettaggg | 2008-02-03 14:27

An uneasy children's story

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 「不安かね」

 ・・・というよりもむしろ心配です。

 「この状況が、かね」

 ・・・こんなところに連れて来られて、なおかつじっとしていろ、と言われれば誰だって心配になるんじゃないですか。だんだん怖くなってきました。

 「それが正常な反応、ということなのかもしれないな。でも私のように、こういうじめじめとした、光の射さないところこそ、落ち着く者だっているのだよ」

 ・・・あなたは、異常なのですか。

 「なにを基準にして異常か、正常とするかはどうやって判断するのかね。人を殺したいとひたすら願いながらごく平凡な日常生活を送っている者だっているよ。反対に、発作的な感情で人を殺してしまう者だっている。このうちどちらが異常か、答えられるかな」

 ・・・ボクは、正常です。ほかの人のことは、判りません。

 「猛烈になにかを破壊したい、という衝動に駆られたことはあるかね」

 ・・・ない、と思います。むしろ誰かに破壊されることを恐れているほうです。

 「私はもうとっくに壊れている立場だからな。遊ばれ、分解され、壊されてからここにやってきた。もしかするとこれから燃やされるかもしれない。しかし、それは物事の成り行きであって、恐れることには繋がらないのだよ」

 ・・・ボクは、また誰かに連れて行ってもらえることを願っているのかもしれない。たとえその先で切り刻まれるとしても。

 「ほら、誰かが向こうからやってきたよ」

 ・・・お願いします!ボクを拾ってください!薄汚れているけれどまだまだ元気なんです。お願いします!




 橋の下、その薄暗い影の中でどんな会話が交わされているか、
 不安な気持ちで通り過ぎる人々にその声が聞こえることはない。





 
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by telomerettaggg | 2008-01-21 19:26 | RICOH caplio R5

Defence Force




 結論から言わせてもらうと、諸君らは今回の任務に成功した。
 おめでとう、と言いたいところだがしかし、「なんとか」、または「ギリギリ」レベルなのだからあまり誉めることは出来ない。

 今回諸君らに命じた任務は何だった?そこの君、言って見給え。
 そうだ、「持ち場を離れず見張っていろ」
 たったこれだけの任務だ。歩哨だからといって自分の責務を軽々しく考えているとどうなるのか判っているのか?19〇〇年のチューバ危機(※1)の時、最初はほんの少しの見逃しが原因で、あれだけの被害を被ったのだぞ。あわや全面戦争になりかけたではないか。

 そこの君、そう君だ。私は君に見張り台の上に立って敵の侵入を許すな、と命じたはずだ。それなのに、いつのまにか昼寝してしまって、敵の斥候(※2)に撮影されるというていたらく、とは何事だ?あやうく機密を盗まれてしまうところだったのを未然に防げたのは、僥倖以外のなにものでもないのだぞ。

 まったく、諸君らときたら、目の前に少しでもちらつかされると(※3)すぐに目の色変えて飛びつきおってからに。少しはそっちの、じっと物陰に隠れてびくともせずに座り続けている隊員を見習いたま・・・言ってるはたから寝るな~!!!

 少しは誉めてやろうと思っていたが、もう我慢ならない。
 君と、そこの君、これから10時間交代なしで見張りをし給え!わかったな。それ以外のものは速やかに解散!以上。









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※1 キューバ危機ではないので、念のため。この年うっかり寝ていたために自分達の食糧を宿敵ネズミどもに奪われあわや餓死寸前となった未曾有の危機を指す。楽器の「チューバ」とも全く関係はない、念のため。


※2 カメラを手に猫を撮ろうとしている一部の人間のことである。筆者も含む


※3 猫じゃらしなど
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by telomerettaggg | 2008-01-08 19:13 | Nikkor50/f1.2 Ai-s