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Tightrope walking

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kodak T-MAX100



 視界が転回してぐるりと見回すそこは奈落

 バランスとって歩くのが難しい綱渡りの夜

 眩暈と願いが絡み合ったあやふやなシミュレーション






 
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by telomerettaggg | 2007-11-28 00:24 | Nikkor50/f1.2 Ai-s

broken umbrella / Join by a hand

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 人はなぜ群れたがるのだろう。ボクにはそれが小さな頃からよく理解できなかった。
 生活するために必要だから?誰かの助けが必要だから?それとも、ただ寂しいから?
 自分が群れようとは思わないけれど、そうしたい気持ちはわからないでもない。でも、群れの中で歩調を揃えること、そのことに気を取られるあまり、少しでも足並みを乱す異質な存在を見つけ出しては、一段も二段も低いものとみなして排除にかかる行動には、全く理解することはできない。しようとも思わない。

 ゆきみも、周りとかけ離れた異質な存在だった。
 といって周りの人間を別段拒否するわけでもなく、奇妙な行動をするわけでもない。同じ空間の中にいて彼女ひとりだけが緩やかなバリアを張っているような、そういう雰囲気を身にまとっているように見えた。
 ただ、同じクラスの子たちと、同じ行動をしない、ただそれだけのことだった。
 遊びに行こうよ、と誘われても、ううん、あたしはいいから、と言ってひとり図書室で本を読んでいたこともあったようだ。
 図書室は、中学生のボクにとって巣みたいなものだったから、ときおり彼女の姿を目にしていた。

 創立100周年を超える木造の校舎の図書室には、その歴史がそのまま降り積もったような夥しい数の本が、天井まで届く書架に納められていた。だから上のほうにある本を読みたいときには、ところどころに置いてある踏み台を引きずって乗るしかない。けっこうな重さがある踏み台だから、キャスタくらい付ければいいのに、と思うのだが、司書の先生はそういうことには全く頓着せず、まるで自分の蔵書のように本を読み続けることで自分の仕事は果たしているのだ、とでも言わんばかりに奥へ引っ込んでいたので、文句を言うことも出来ずにひとりブツブツ言いながら、木の床を引きずっていくしかなかった。

 左奥の、本棚でコの字に囲まれた一区画がボクの巣の中心部みたいなもので、その日の放課後も、そこでひとり本を読んでいた。読み出すと、本の物語の中に引き込まれて、周りのことがほとんど気にならなくなる。時間が経つのも忘れてしまう。
なので、誰もいないと思っていたのに、ずるずると床を引きずる音が聞こえてきた時はドキッとした。
 本棚の壁から顔だけを覗かせながら音のするほうを見ると、見たことのない女子生徒が必死に踏み台を引っ張っていた。前髪は額の真ん中で真横に切りそろえているのに、サイドが背中まで届きそうな長い髪が、前かがみになって顔にかかるのを片手で後ろにはねのけながら、目当ての本がある書架へと踏み台を移動させている。

 箸より重いものは持ったことがなさそうなほど細い肩と、細い腕のどこからそんな力が出るのか、腕力には自信のあるボクでもかなりの重労働なのに、その重い踏み台を彼女は引っ張っている。よほど読みたい本があるんだな、とその進路の先に目をやると、そこは江戸川乱歩全集のコーナだった。
 ふーん、女の子でも乱歩とかに興味があるんだ、と少しものめずらしく感じた。
 かなりの時間をかけてやっと目当ての場所にたどり着いた彼女は、誰もいないと思っているからだろう、制服のスカートが広がるのも気にせずに踏み台に右足を大きく上げ、それから本棚を掴んで登った。
 
 「乱歩好きなの?」

 急に声をかけられた彼女は、悲鳴にならない声をあげてボクとは反対側へのけぞり、バランスを崩してしまった。
 とっさに駆け寄って、そして手を伸ばした。虚空に投げ出された彼女の手を掴んだ。危ういところで落下を免れた彼女は、しばし呆然とし、それから、少し怒ったような顔で俺のことを睨みつけ、それから、笑った。


 「雪村ゆきみ、っていうの?また両親ともユーモアセンスあるねえ」
 「もう、やめてよ。何度そのことで笑われたかわからないのよ」

 最初の出会いかたは唐突で、ちょっと変わったものだったかもしれないが、ゆきみの笑顔はとても素直で、取り立てて変わったところのない女の子に見えた。
 「しかし、女の子で乱歩?明智小五郎ファンなの?」
 「違いますー、小林少年のほう。あたしね、少年探偵団に入りたかったの」とゆきみは笑いながら話す。
 「怪人二十面相を追っかけてね、いろんな知恵を振り絞っていくところとか、いいと思わない?」
 「うーん、乱歩は小学校のころに読みつくしたからなあ、ずいぶん前のことで内容忘れちゃったんだけど。」と俺。乱歩も、モーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンも、そしてコナン・ドイルのシャーロックホームズも、活字に飢えていたボクはすでにあらかた読んでしまっていた。
 そう話すと、
 「あたしだってそうよ。みーんな読んでしまったけど、ほら、小学校に置いてるのって、子供向けに読みやすい内容で書かれてるじゃない?それじゃあ物足りなくなって。中学校なら大人向けのがあるかと思ってたんだけど、前の学校じゃそういうのは全然置いてなくって。出来たばかりの新設校だったから」
 「ああ、見たことない顔だな、と思ったら、転校してきたんだ?」
 「うん、そう。この学校の図書室に入ったときは、それは感動したわよ。あたしの中学生活はこれで薔薇色だわ!ってね」
 「またえらく苔むした薔薇色だなあ」
 そう言って、二人で、図書室の古びた壁と天井と床を見回して、笑った。


 他人に合わせない、自分の世界を持っている、そんなゆきみの性格は、まるで自分を見ているようで全く違和感がなかった。
 つまりそれは、ボクと同じでクラスメイトに馴染まない(馴染めないのではない)、またはクラスメイトから疎外されていることを意味していた。
 外部の人間がそれを見たとしたら、いじめられている、と受け取るかもしれない。
 でも、そんなことはいじめでもなんでもなかった。クラスから、ときには教師からも無視されたとしても、いじめられる側がそれを「いじめ」と認識していなければ、それは「いじめ」ではないのだ。そしてボクとゆきみにとって他人に干渉されないことは、快適でありこそすれ、いじめとは無関係のことだったのだ。


 放課後は下校のチャイムが鳴るまで図書室で本の話をしたり、おのおの好きな本を読んだりして過ごし、司書の先生が奥から顔を出すなり「ほら、閉めるから早く帰れよ」という判で押したような科白を耳にしながら一緒に帰る。
 もちろんどちらかが図書室に来ないこともあるし、校門を出たところで「今日は用事があるから」と別れることもある。自分のやりたいことをやって、一緒にいたいときはいる。
 そんな関係がボクとゆきみにはとても心地よかったのだ。

 一晩中強い風と雨に見舞われた次の日、一緒に帰る道の途中で、生け垣に引っかかった傘をゆきみが見つけた。
 「ほら、こんなところに傘があるよ。昨日の雨でどこからか飛ばされてきたんだろうね」と指をさすゆきみ。
 「ほんとだ。でも、もうボロボロじゃん。これはもう使えないね」とボク。
 「そんなことないよ!まだ直せばば使えるんだから!」
 ゆきみは急に声を張り上げたかと思うとその傘を持ち上げ、懸命に閉じようとした。でも、骨組みが曲がっているので動こうとはしない。張ってあるビニールも破けているし、どう見てもこれを使えるようにすることが出来るとは思えなかった。
 それでも必死に、なぜか涙まで流しながら、懸命に動かそうとしているゆきみを見て、ボクの知らない彼女の大切な部分に触れてしまったのだ、ということに、そのとき気づいた。

 ごめん、ボクが悪かった。何度もゆきみに謝りながら、彼女の手から壊れた傘をもぎ取り、腕力に任せてまんなかの骨のゆがみを矯正したら、傘はあっさりと閉じてしまった。
 
 「ほら、、、まだ使えるよ。まだ全然大丈夫だよ」と涙目をこすりながら言うゆきみに
 「うん、本当にそうだね。ビニールの部分を張りなおしてあげればまた使えるようになるよ」


 夕日は、ボクと、ゆきみの背中を照らしていた。
 
 長く伸びた影の中で、ボクの右手には直りかけた傘がある。
 そして、左手の先には、繋がれた彼女の右手が、長い髪が揺れている。

 両方の手に握ったものを、大切にするんだ。
 そう、心に決めて、握り締めた手に力を込めた。





 
 


 
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by telomerettaggg | 2007-11-18 08:09 | RICOH caplio R5

眩しくとも目をそらすな

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 乱反射するボクの目に 逆光はとても眩しくて

 すぐに顔を背けてしまいそうになるけれど

 負けるな そのまま進み続けるんだ

 なにに負けるのか それはわからないが

 多分自分自身のなにかなのだろうなと思う




***********************

ずっとつかっている唯一のデジタルカメラ、caplioR5ですが、レンズの性能はGRDではなくても素晴らしいものがあります。逆光でもほぼフレアなし。ただし、モニタには思いっきりスミアが出ていますけれど。
AF機能が壊れやすいらしいので、ほとんどの場合は28ミリの深い被写界深度を生かしてピント固定のスナップモードで撮っています。全く問題なし。撮りたいもののほとんどは2~5mくらいのあいだにありますからね。




 
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by telomerettaggg | 2007-11-14 21:32 | RICOH caplio R5

夢うつつ

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 体中の関節がきしんでいる。
 お腹付近の肌をそっと撫でると、妙な違和感がある。咳をしすぎたからだろうか。まだ頭がぼうっとする。

 治りかけのときのこのけだるさがいい。外は雨が降っている。それを耳に捕らえながら布団に横になって、あれこれ空想する時間が心地よかったりもする。そのうちそれが空想なのか、夢で見ていることなのか判らなくなってくる。


 高熱を出したときだけ、見る夢がある。それは決まって熱に浮かされている時にしか見ないので、目が覚めたときにはぼんやりとしか覚えていないのだけれど、またしばらくたって、それは数ヶ月だったり数年後だったりするのだが、同じ夢を見たとき「あ、この夢は前にも見たことがある」と思い当たるのだ。


 そのときの私は、地上3mくらいのところをふわふわと浮かんでいる。
 浮かびながら、自分の背中を斜め上から見ている。歩いてく「私」は、商店街の雑踏の中をふらふらと、迷子になった子供のように行きつ戻りつなにかを探している。
 ふいに、「私」はなにかを発見したかのように一目散に走り出し、見ている私のほうは走っていく「私」の姿が人ごみに紛れ、ついには見逃してしまう。
 常に「私」の背中しか見ていないので、いったいどんな表情をしているのかは伺えないのだけれど、走り出した「私」の肩は、背中は、喜び勇んでいるように感じられた。


 浮遊している私の意識はそこからぽんと空に駆け上がり、上空を水平移動したのち、急激に自由落下していく。なにか見覚えのある建物が見えてきたな、と思いはじめると同時に、この景色は前にも夢で見たことがあるな、ということに気づく。いつもそうなのだ。

 それは、まだ建てかえられる前の祖父母の家だ。戦後まもなくの復興とともにこの町へ引っ越してきたその家はとても古くて、中庭にはとても小さな池と、そこで飼われている亀と鴨がいて、二匹に餌をやる祖父の姿が見える。
 祖母の姿はどこだろう、母親はどこにいるの、そう探し回っているのだが、なかなか見つからない。
 そうこうしているうちに視線はだんだん上へと登っていき、布団の上で目を覚ましてしまうのだ。

 一度だけ、この後半部分の夢を覚えていたことがあり、内容を母親に話したことがある。古い祖父母の家の間取りだとか、飼われていた亀や鴨の話を事細かに話すと、母親は、たしかに自分の実家はそういう家だったという。
 でも、私が生まれた頃には、とうにその家は取り壊されて、新しい家になっていたのよ、と聞かされた。たしかに、私自身が実際に知っている家は、新しいほうだけだ。
 なぜあなたがそれを知ってるんでしょうね。そう、母親は不思議そうな顔をして首をかしげた。


 母親のいぶかしげな顔を見上げながら、ここで本当に目が覚めた。
 
 
 どこまでが真実で、どこまでが妄想なのか、それはいまだに私にもわからない。





 
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by telomerettaggg | 2007-10-26 16:14 | SMENA8M

やさしいうた

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 きづいたらもう 夏は終わっていた

 強い日差し絡もう やさしいそらへ

 冬に変わるときの空気 鼻で感じて

 そうだ全て磨耗 ボクはいなくなってたんだ

 足元から消失点へ 彼方から此方へ

 行きつ戻りつつ視点 めまぐるしく動いて

 夢にまで見た景色 そこまで来ている

 やさしいのは誰に? ボクになんかじゃない

 やさしいそらへ 

 やさしいくうきへ

 やさしいうたをうたう





 
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by telomerettaggg | 2007-10-19 05:52 | Planar50/1.4

The sky to laugh at

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 そんなことではつまらない そんなことではだめだ

 否定から入ることに何の意味があるというのだ

 まずは受け入れることからはじめてごらん

 自己否定すら包みこんでみてごらん

 
 そんなくだらないことで悩むぼくらを
 
 仰ぎ見れば笑う空
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by telomerettaggg | 2007-10-10 00:31 | Planar50/1.4

整然としていない

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 雑多なものが押し込まれている 整理されていない

 雑然としている 不愉快になる

 すべて頭の中の話

 室内の散らかりようと脳内の混乱は反比例している

 だからいつも考えがまとまらなくなるといつのまにか部屋の整理をしている

 自分にとって快適な空間とは 何をどこに仕舞ったのか判らない綺麗な部屋ではなく

 他人が片付いていないように見えるとしても すべてのものを把握しているある種の混沌

 ある種の混乱の中に見出せるもの

 そんな物どもにまみれた頭を抱えながら 部屋を片付けにかかるとする





 
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by telomerettaggg | 2007-10-06 08:08 | Planar50/1.4

ばあちゃん

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kodak T-MAX100 sakae/aichi


 じいさんの次はばあちゃんだ。

 しかし、ばあちゃんに関してはあまり悪口や嫌な思い出がないので、昔の話をすることにする。

 子供の頃のオレはおばあちゃん子だった。母方の祖父母にとって見れば初孫に当たる自分を、それはたいそうかわいがってくれたのがばあちゃんで、だからこそとても懐いていたのだろう、といまにしてみれば思う。

 じゃあ、じいちゃんはといえば、別にかわいがってくれなかったわけではないし、祖父は祖父なりにオレの事がかわいかったんだろうなあ、とは思うのだが、そこは昔の日本男児を地でいく奔放な大工の棟梁だったから、働きに来ていた弟子に向かって鑿を投げつけたりする激昂ぶりを何度も目の当たりにしていた子供のオレにしてみれば、当時はただ怖いだけの存在でしかなかったのだ。

 父親は大工の棟梁であるじいちゃんの元へ弟子として入ってきて、祖父母の娘である母と知り合って結婚し、そうやって俺が生まれた。

 両親共に働いていたから、隣町で暮らすオレはまだ幼児の頃からよく祖父母に預けられていたらしい。1~3才頃の記憶なのであまり鮮明には覚えていないのだが、1歳半下の弟が生まれることになった前後も、きっとばあちゃんに世話してもらいながら、オレは大きくなっていったのだろうと思う。

 ある日、仕事をしている母の元に、声を引きつらせたばあちゃんから電話があったそうだ。物凄く慌てた様子で、オレを道端で遊ばせているとき転んでしまって、額がぱっくり割れてしまった!と泣きそうになりながら。

 怪我自体はたいしたことはなかったのだが、2才の子供の額から血がだらだら流れ出る様はさぞかし怖かっただろうと思う。ふた針縫うくらいの怪我でしかなかったのだが、それは今でもオレの額に残っていて、ずいぶん成長してからも、そのときの様子を母から聞かされたものだった。

 鏡を見ながらその傷に目をやるときに、そのとき聞いた話のことをよく思い出す。

 じいちゃんは酒とタバコのやりすぎでもうずいぶん昔に死んでしまった。
 オレをかわいがってくれたばあちゃんも、リンパ節の癌で一昨年亡くなってしまった。

 自分のことを知る人が、そうやって1人づついなくなってしまうたびに、悲しいことでも忘れちゃいけないことはあるんだ、そう自分に言い聞かせることにしている。


 いまだによそのばあちゃんに対しても悪いことを言えないのは、そんな昔の記憶が焼きついているからなのかもしれない。





 
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by telomerettaggg | 2007-10-01 01:05 | Planar50/1.4

角は立つが転がりにくい

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nishiki/nagoya


 シャッタの締まった店の前でたむろしていたら どこかに行け と邪険に追い払おうとしてきたじいさん。

 歳はとっても丸くはならん、人に嫌われたからそれがなんだ!といわんばかりのその態度。

 じいさん、そのままで行け。

 俺はじいさん、あんたのことなんて反吐が出るほどむかつくが、

 あんたの態度は嫌いじゃないぜ。

 ライクアローリングストーン~転がる石に苔はつかない

 なんていわずに、そこに踏みとどまって決死の屍を築く覚悟でいろよ。

 それがあんたのロックンロールだ。

 や、浪花節か?

 そんなこたぁどうでもいいんだ。

 じいさんの背中が語りかけてきた気がした。





 
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by telomerettaggg | 2007-09-25 10:26 | Planar50/1.4

The boy of the smile

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kodak T-MAX100 nagoya/aichi


 その笑顔がとてもステキでした。






 前の車がなければ、とタラレバ炒めなワタクシ




 
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by telomerettaggg | 2007-09-22 03:47 | Planar50/1.4